ヒミコの夢
遥か昔のこと
大地に雨が降り続き
大河のように
民を飲み込んで
なすすべなく立ち尽くす時
一瞬の光の中に
天空の扉が開き
民を誘う
遥か昔のこと
酔いしれた儚き夢
豊穣に実をつける穀物
優しく頬撫ぜる風
遥か昔のこと
奏でる楽器の音色に
酔いしれながら
膝枕の色香に
時を忘れる
遥か昔のこと
儚き夢の続き
寝ては夢
覚めては幻の
覇者の夢
遥か昔のこと
ちっぽけなこの国の
手の中の嵐
それでも懲りることなく
甘い言葉の
覇者の夢